ORT オックスフォードリーディングツリーって実際どう?英語力とあれも伸ばす絵本です!
2021年7月24日
こんにちは!
ORT(オックスフォード・リーディング・ツリー)の導入をお考えですか?さては英語育児上級者ですね?
なぜなら、ORTは英語教育者の間では有名な絵本でイギリスでは「国語」の教科書として採用されているからです。
私は出産まで子ども用の英会話教室で働いていまして、そこでORTを使用していました。
ですので実際に手に取って絵本を見ましたし、数百人の子どもたちの反応を見てきました。
そこで、以下のようにお考えのかたのお悩みを解決できればと思います。
- ORTってぶっちゃけどうなの?
- ORTを使えば英語ができるようになるの?
- 子どもの反応はどうなの?
- 良いって聞くけどデメリットはあるの?
- 高いって聞くけどいくらかかるの?
- 最安値で買う方法は?
Oxford Reading Treeはイギリスでは国語の教科書
イギリスのOxford University Press(オックスフォード大学出版)から出版されている絵本です。
オックスフォード大学出版?オックスフォード大学と関係あるの?って思いますよね。そうなんです。
オックスフォード大学出版局は、イングランドのオックスフォード大学の出版局を兼ねる出版社である。OUPは世界最大の大学出版局であり、アメリカの全ての大学出版局とケンブリッジ大学出版局の合計以上の規模を誇る。
とにかく、オックスフォード大学の出版局で世界規模の大きな会社なのね!でもなんか堅苦しそう・・・
実際に使っていた私はすごく楽しい絵本だなと思いました!ORTは主人公Kipperとその家族が繰り広げる物語を楽しみながら英語が身につく絵本なんです。
ORTの特徴
- イギリスの約80%以上の小学校で採用されている「国語」の教科書。
- かわいいキャラクター達が登場するユーモアあふれる「オチ」がある短いお話が200話以上あり、すべてネイティブの子供たちが使う自然な英語でつづられています。
- 10段階にレベル分けされ、頻繁に使う表現が繰り返し登場するため、英語学習用としても最適。
- 物語はおもに主人公のキッパー少年とその家族や友達の日常生活を描いているので、まるで日本にいながらイギリスの家庭にホームステイしている気分も味わえます。
イギリスでは国語の教科書なんですね。イギリス国外でも現在130ヶ国以上で親しまれているようです。
ユーモアあふれる「オチ」もあって大人も楽しめます。ただ、たまーになんですがその「オチ」が理解できないこともありました・・・
まとめ
- ORTはオックスフォード大学出版から出版されている絵本
- イギリスでは国語の教科書
- 10段階にレベル分けされ、キッパー少年とその家族・友達の日常を楽しみながら英語学習ができる
ORTのいいところ
それでは子ども用の英会話教室でORTを使用していた私が考える、メリットをご紹介します。
ORTのストーリーは面白いですしシリーズで読んでいけば愛着もわきやすくなります。
でもそれって他の絵本も同じですよね?英語で書かれている絵本なんて何千冊も何万冊もありますしシリーズ化されている絵本もたくさんあります。めくる絵本など子どもの興味を引くような工夫が凝らされている絵本だってたーくさんあります。その中でなぜORTなのか、なぜ小学校や英会話教室で導入されているのか。そこを深掘りしていきたいと思います。
多読3原則に従いやすく多読に最適
ORTについて少し調べると「多読」という言葉に出くわすことと思います。この「多読」とはなんなのでしょう。
多読(extensive reading)とは文字通り本をたくさん読むことです。英語学習における多読はやさしい英語をたくさん読むことを指します。この多読には3原則というのがあります。
多読3原則
- 辞書は引かない
- 分からないところは飛ばす
- 合わないと思ったら止める
ORTは絵と文章が一致しているので、文章が理解できなくても絵を見ればどういう内容なのか推測することができます。ですので辞書がなくてもだいたいのストーリーが理解できるので多読に最適なんです。
多読のメリット
多読はその効果を否定する言語学者はいないというほど言語の習得に効果的な方法です。多読の主なメリットをご紹介します。
英語を英語のまま理解できるようになる
この多読の一番のメリットは英語を英語のまま理解できるようになるということです。
例えばflowerと聞いて「花」と日本語に翻訳してから理解するのではなく、flowerのまま理解するということです。
一単語だけだと簡単じゃん!と思いますが、これが長い文章になると翻訳しないと理解できないということはよくあるのです。英語をいちいち日本語に訳していたら、スムーズな会話はできっこありません。
リーディング、ライティング、スピーキング、リスニング能力の向上
英語を英語のまま、英語の語順で理解できるので当然リーディング力はあがります。多読によって何度もインプットした単語は記憶に刷り込まれるので、ライティングやスピーキングでそれをアウトプットできるようになります。
英語を英語のまま理解できるようになればリスニング力も当然あがります。ORTの音声CDや音声ペンも併用することで、ネイティブの発音を聞くこともできるのでさらにリスニング力が上がります。
まとめ
- 多読をすることで英語を英語のまま理解できるようになる
- 多読によってリーディング力はもちろん、ライディング、スピーキング、リスニング力も上がる
- 多読で大切なのは辞書を引かない、わからない所は飛ばす、合わないと思ったらやめること
- ORTは絵と文章が一致しているので文章を理解できなくてもストーリーが理解できるので多読に最適
ネイティブが読み聞かせをしている環境を作れる
英語の絵本を読み聞かせしようとした時、親の英語力が必要になります。
単語を正しく発音してイントネーションも自然に、強弱や感情も入れて読むなんて難しすぎ・・・
ORTは音声CD付のものや音声ペンという素晴らしい商品があるのでパパ・ママが英語はちょっと苦手というご家庭でも導入しやすいのが特徴です。
これらを使えば簡単にネイティブが読み聞かせをしてくれている環境を作り出すことができるのです。リスニングの練習にもとてもいいですね。パパ・ママはCDをかけながら絵本をめくればいいだけです。
更に音声ペンというのがすごいんです。付属のシールがありまして、そのシールを各ページに貼っていきます。そして音声ペンでシールの上をタッチすると音声ペンが絵本を読み上げてくれるんです。もちろんネイティブの音声。
これならパパ・ママが手伝わなくても、お子さんが一人で絵本を読んでくれるのでかなり楽になりますよ。
まとめ
パパ・ママが英語は苦手でもCDや音声ペンを使用することでネイティブが読み聞かせをしてくれている環境を簡単に作れる
言語習得に向け戦略的に作られている
ORTはキッパー少年とその家族・友達の楽しいストーリーというだけではありません。ステージのレベルごとに学ぶべきことを戦略的に物語に組み込んでいるんです。以下の画像をご覧ください。こちらは絵本の最初のページに書かれているものです。
日本語でどんなことが書いてあるのかというと、こんな感じ。
絵本を読む前に表紙を見てタイトルを読んでね。お子さんに「どんなことが起こると思う?」と聞いてね
この本では以下の発音の練習ができますよ
ck w y z qu ch th ng
以下の単語を左から右へ発音していって1単語読み上げてみてね
this with yes kick neck back quiz quack thick thin chicken Chip long
以下の単語はこのステージのお子さんには発音が難しいので一緒に練習してあげてね
me was
このステージのお子さんはこれを練習しましょうという風にステージに沿ってガイドしてくれているんです。全部の絵本に上記画像のようにガイドされているので、パパ・ママはそれに沿って教えていけばいいだけです。まさに絵本というより教科書ですね。
イギリスの小学校で行われていることがご家庭でできてしまう。楽しく絵本を読みながら実はめちゃくちゃ勉強できてしまう。他の絵本にない強力なメリットです。
特にステージが低いと1冊あたりのページ数は多くありませんし文字数も少なめですが、1冊で本当にたくさんのことが学べます。
まとめ
- ステージのレベルごとに学ぶべきことを戦略的に物語に組み込んでいる
- この絵本で何が学べるのか、どのように教え練習していくのかガイドされている
英語力だけでなく想像力も育てる
ただ絵本を読むだけでなく、絵本を読みながら色々な質問をしていくことでお子さんの英語力や想像力、自分の意見を言える力を育てます。例えば以下のような質問です。
How do you think Floppy feels at the end of the story?
物語の最後にフロッピー(犬)はどんな風に感じたかな?
このように、ORTは質問がしやすいように絵が描かれているんです。それが他の絵本と比べて非常に優れています。
どんな質問をしたらいいかわからない、思い浮かばないという方も安心です。こちらもガイドされています。絵本の最初のページや最後のページに英語で質問の例が書かれているのでただそれを読めばいいのです。
質問も英語力向上を狙ったものから想像力を働かせるもの、自分の意見を言うものなど様々です。
まとめ
ただ絵本を読むだけでなく色々な質問をしていくことで英語力や想像力も伸びる
自分の意見を言える子が育つ
特に、自分の意見を言う能力はとても大事だと私は考えています。日本の教育ではあまり重要視されていませんが欧米ではとても重要視されていまして、人前でも怖気づかずに平気で自分の意見を言います。
自分の意見を言えるということは論理的思考ができ、コミュニケーション能力があるということ。このグローバル社会を生き抜いていく強力な武器です。
これはお子さんの意見を否定されない家庭で幼少期からトレーニングするのが理想的なんです。
具体的にどのような質問をしていくのかというと、そんなに難しいものではありません。例えば以下のような質問です。
Do you like the story? Why?
このお話は好き?どうして?
この、whyという質問をすることでお子さんが何を思ったのかどのように感じたのか意見を話すことができます。そしてこの質問には答えがありませんよね。このように、答えのない質問をしていくことがコツです。
ORTは絵本の最後のページにこういった質問も含まれていますのでどんな質問がいいのか頭を悩ます必要はありません。
まとめ
- 答えのない質問をしていくことで自分の意見を言う力を伸ばす
- 自分の意見を言う力はお子さんの意見が否定されない家庭で実践するのが理想的
レベル分けされていて無理なくレベルアップできる
ORTはステージ1~9までのレベルに分けられていてステージが上がるごとに難しくなっていきます。
ステージ1+から200~300文字程度、ステージ9では8000文字程度となっています。文法や語彙、文章の長さもレベルが上がるにつれレベルアップしていきます。(ちなみにステージ1は文字なしの絵のみの物と100文字ほどのものがあります。)
ステージ1から段階的に読み進めていくことで無理なくレベルアップしていくことができます。
ちなみに、各ステージごとの対象年齢の目安は以下となります。
- ステージ1~3 → 4~5歳
- ステージ4~6 → 5~6歳
- ステージ7~9 → 6~7歳
絵本を選ぶ手間が減る
ORTは絵本選びの手間と時間の節約にもなります。
うちの子には今はこのレベルかな…とか考えながら絵本を買ったり読むのって大変じゃないですか?しかも絵本ってたくさんあるので目移りしますよね。それを楽しめるのならいいのですが、忙しいパパ・ママには絵本選びの手間が省けて時間の節約ができるのは大きなメリットだと思います。
ORTなら何も考えずに読み進めていけばいいだけです。ステージ1+が理解できているなーと思ったらステージ2に進めばいいのです。
まとめ
レベル分けされているので理解が進んだら次のレベルに上がればいいだけ、絵本選びの必要がない
デメリット
ペーパーバックだから破れやすい
表紙を含めすべてがペラペラの紙に印刷されています。よくある絵本って表紙は厚くしっかりしているけど中身はペラペラの紙ですよね。ORTは表紙も含めてそんな感じの紙製です。破けやすいですので取り扱いには注意が必要です。
イギリス英語
これはメリットにしようか悩みました。イギリス英語でも英語は英語、というかイギリス英語がもともと本物の英語ですね。
でも現代の日本の学校ではアメリカ英語が主流です。イギリス英語とアメリカ英語では表現が全く違っていて意味が通じないものもあります。ORTには例えば以下のような表現が出てきます。
He was cross.
彼は怒っていた。
こちらはアメリカではあまり使われない表現です。アメリカ英語を教えたいという方にはこういった表現の違いはデメリットになりますね。学校では習わないイギリス英語が習える、と考えればメリットになります。
ちなみに音声CDなどの発音はアメリカ英語・イギリス英語両方収録されているようです。
私の意見としては、気にしなくてもいいのかなと思っています。
こういった表現の違いはごくたまにあるだけで、ほとんどがイギリスでもアメリカでも世界中どこでも使える英語です。
そして英語さえ話せればアメリカ英語でもイギリス英語でも関係ないと思います。アメリカ人に対してイギリス英語を話して通じないことがあったとしても、英語力さえあれば修正できるしイギリス英語ではそんな言い方するんだね~hahahaで終わりです。更に言うとネイティブはアメリカ人でも結構イギリスの表現を知っていたりします。
まとめ
- 学校で習うのはアメリカ英語が主流だがORTはイギリス英語なのでデメリットになりえる
- ORTでの表現の違いはたまにでほとんどが世界中どこでも使える英語
- 英語さえ話せればアメリカ英語でもイギリス英語でも関係なし!
フルセットだと値段が高い
貧乏主婦ライターには辛い辛いデメリットです。お値段はこんな感じ。(公式で買った場合)
商品名 | 冊数 | 値段(税込) | 一冊あたりの値段(税込) |
ステージ1 | 6冊 | 3,465円 | 578円 |
ステージ1+ | 6冊 | 3,586円 | 598円 |
ステージ2 | 6冊 | 3,993円 | 666円 |
ステージ3 | 6冊 | 3,993円 | 666円 |
ステージ4 | 6冊 | 4,521円 | 754円 |
ステージ5 | 6冊 | 4,521円 | 754円 |
ステージ6 | 6冊 | 5,588円 | 931円 |
ステージ7 | 6冊 | 6,655円 | 1,109円 |
ステージ8 | 6冊 | 6,919円 | 1,153円 |
ステージ9 | 6冊 | 6,919円 | 1,153円 |
ステージ1+~9まで全てまとめ買い(CDなし) | 180冊 | 120,692円 | 671円 |
ステージ1+~9まで全てまとめ買い(CDあり) | 180冊 | 138,017円 | 767円 |
音声ペン | 8,800円 | ||
音声シール(ステージ1~5) | 3,080円 | ||
音声シール(ステージ6,7) | 3,300円 | ||
音声シール(ステージ8,9) | 2,640円 |
ステージ1+~9までの絵本と音声ペン、音声シール全てを揃える場合、159,412円(税込)です!1冊あたりは他の絵本とさほど値段は変わりませんが、たくさん買うとそれなりのお値段になります。
正直、16万円の価値はあると思います。幼児期から中学生くらいまで使えるわけですから。もちろん予算があるのであればフルセットをどーんとまとめ買いが一番お得です。
ただ、個人的には最初からフルセットを揃えるのではなく少しづつ買い足していくのが賢い買い方かなと思います。メインストーリーの6冊パックを中心に購入していきこのレベルをもうちょっとやりたい!と思ったらモアストーリーの6冊パックを買い足していく感じです。
なぜならお子さんが興味を示すかわかりませんし、最初は興味を示してもモチベーションが続くかもわかりません。
6冊パックなら3,000円台から買えるので気軽に買えますね。
まとめ
- フルセット(音声ペン、音声シールあり)で買うと約16万
- 最初からフルセットではなく少しづつ買い足していくのが賢い買い方
- 6冊パックは3,000円台~
子どもの反応はどう?
私が以前勤めていた英会話教室は、ORTを使用していたクラスは2歳半以降のクラス。子どもの反応はとても良かったです。ネイティブの先生が絵本を読み上げるのですが、子どもたちはみんないい子に座って聞き入っていました。
絵本にアイスクリームが出てくると、先生が「みんなは何アイスがすき?」と聞いてた時がありました。みんなチョコレートアイス!やバニラアイス!など答えていました。きちんと理解し、楽しく英語でコミュニケーションもとっていました。
楽しみながら英語を習えるってとてもいい環境ですよね。ORTではそれが可能だと思います。
まずは無料でお試ししてみよう
Oxford Owlというサイトで無料でORTを読むことができます。更に音声プレーヤー付きなので読み上げまでしてくれます。ただしサイト自体が英語なのと、絵本を読むには無料の会員登録が必要になります。
こんなに読めちゃっていいの?!ってくらいたくさんありますね。
どこで買える?
公式
こちらのOxford University Pressの公式サイトから購入できますが、はっきり言ってサイトが使いにくいです。
1冊からは買えず、6冊パックを買うかステージ1+~9のフルセットを買うかの選択肢のみです。6冊パックは基本CDなしのみ販売されていてフルセットの場合のみCDありでもなしでも選べるようです。値段も一番高いです。更にオンラインで買えずに全国の取り扱い書店で購入してくださいという商品もあります。
Amazon
1冊からでも、数冊セットになったパック商品も買えます。ただし音声ペン、音声シールの取り扱いはないようです。
ステージ1+~9のフルセットは公式だと120,692円(税込)ですがAmazonだと97,529円(税込)。2万円以上もお得です。(2021年7月時点)
→AmazonでOxford Reading Treeを見る
楽天
アマゾン同様、1冊からでも、数冊セットになったパック商品も買えます。音声ペン、音声シールの取り扱いはないようです。
中古で安く売っているショップもあるのでチェックしてみてください。
まずはどれから買えばいい?
スターターパック
まずはどれから買えばいいのか悩んでいる方にはスターターパックがおすすめ。気軽に試せる絵本6冊+CDの入門パックです。スターターパックの内容は「ステージ1+ more first sentences A」になります。
ORT10冊収録+音声CD+解説
こちらはORTのStage 1、1+、2から10冊が収録され、さらに朗読CDと解説付きです。はじめて英語を学ぶ幼児・小学生にピッタリの内容となっています。
お値段は新品で1980円(税込)ですがORTが10冊収録されているので1冊あたり198円でCDと解説付きはかなりお得です。
解説がついているので英語教室で行われるようなアクティビティもご家庭で手軽に実践できます。
ORTを最大限有効活用するためにもぜひ持っておきたい1冊ですね。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ORT、とてもいい選択肢だと思います!まずは無料のOxford Owlで無料で試してみて、よかったら親子で英語絵本リーディングを手に取ってみるのがいいのかなと思います。
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